変形性膝関節症と膝の痛み

変形性膝関節症と膝の痛みについて

年齢とともに悩みを抱えることが多くなる膝の痛み。これは膝の軟骨が摩耗することが大きな原因と言われています。

変形性膝関節症

骨と骨の間でクッションの働きを果たしている軟骨。これが関節にかかった負担により摩耗し、薄くなってしまったために骨同士がぶつかるような状態になると激しい痛みが生じるようになります。その結果、骨が変形してしまったり、関節に水がたまってしまうといった症状にまで悪化してしまうことがあります。
この症状を変形性膝関節症と呼びます。膝の痛みのほとんどがこの症状で、50歳以上の男性およそ53%、女性では 実におよそ74%がこの症状を抱えているというデータもあります。

変形性膝関節症の原因

その原因はさまざまです。加齢によるものがもっとも大きな原因となりますが、そのほかにも肥満や怪我などによっても起こります。 加齢によって少しずつ変形することによって生じたものを一次性と呼び、怪我や関節リウマチなどが原因によって生じたものを二次性と呼んで区別しています。
30代に入ったスポーツ選手が膝の不安を抱えることが多いのもこの変形性膝関節症が原因であることがほとんどです。

肥満も大きな原因となっています。 とくに骨の成長が止まった後に急激に体重が増えた場合、それが関節に大きな負担をもたらし痛みを感じてしまうのです。 また、女性の発症率が高い原因には閉経後のエストロゲンの現象が影響を与えているのではないかという説もあります。

変形性膝関節症の治療、予防方法

治療方法には装具の装着や薬物療法、あるいは手術など複数の選択肢があります。
装具とは杖やサポーターのことです。装着して膝への負担を減らします。症状が比較的軽い状態ならば、装具だけで改善する場合もあります。
薬物療法は、痛みを和らげる対症療法です。飲み薬、塗り薬、貼り薬、座薬など様々な種類がありますが、それぞれメリットとデメリットがあります。
外科手術には、関節を人工関節に取り換えるものや体の歪みを修正する手術などが挙げられます。最も効果が期待できますが、日常生活に戻るのに時間がかかったり、手術をする体力が必要だったりと条件があります。

予防・改善をするためには筋力の維持と膝への負担の軽減が不可欠といわれています。日常生活での心がけも大きな意味を持ってくるでしょう。
例えば肥満を解消する、毎日ストレッチをする等で関節への負担が減ります。冷え性の人は膝を冷やさないように気を付け、湯船に浸かって血行を良くするだけでも予防になります。
ですが、効果を期待して無理をすると、逆に負担がかかって悪化することもあるので、自分のペースで無理なく行うとよいでしょう。

一度発症したら100%もとに戻ることは困難ですが、毎日の生活に気を付けることで痛みを抑えたり、改善することはできます。