膝の痛みと薬物療法

膝の痛みと薬物療法

膝の痛みを解消するための手段として薬物療法があります。

ただし、即効性に優れた薬物はありません。痛みを和らげたり、時間をかけて症状を改善していくといった程度に効果が限られているのです。

膝の痛みと薬物療法

もっとも多い膝の痛みの原因として知られる、変形性膝関節症に対して使用される薬物としては、以下の3種類があります。 まず、痛み止めです。この痛み止めは非ステロイド系と副腎皮質ステロイド系の二種類に大別されます。 どちらを使用するかは症状に応じて判断されます。副腎皮質ステロイドの方が痛み止めの効果は高いです。

それから外用薬。これらは塗り薬や湿布薬が使用されます。 湿布薬の場合は通常、温湿布を使用します。しかし、炎症を起こしている場合や痛みが激しい場合には冷湿布を使います。 外用薬は痛み止めに比べて効果は低いですが、気軽に行える痛み止めと言えます。

もうひとつ、患部に直接注射するという方法もあります。最近とくに注目されている薬物療法です。 注射に使用されるのはヒアルロン酸。軟骨を構成する成分であるヒアルロン酸を注入することによって軟骨を修復し、クッション機能を改善させる効果があるのです。 この注射は、膝の痛み解消に効果が高いと期待されています。 これは20年ほど前から行われているもので、治療の前に信頼できる整形外科医に相談し、十分な説明を受け、納得してから治療を受けましょう。

そのほかに、炎症が激しい場合にはステロイドを直接注入することもあります。

薬物療法による治療は根本的な治療よりも対処療法としての印象が強いのですが、 つらい膝の痛みを改善させ、日常生活を過ごしやすくしてくれる点においては優れた効果が期待できる治療方法といえるでしょう。

効果が高い薬物のリスク

痛み止めとしての飲み薬や、直接体内に注射する薬の利点を説明しました。 これは症状を改善させるために利用するのですが、強い薬物ほどその副作用も大きいことは忘れないでください。

比較的効果の弱い外用薬は、副作用もほとんどありません。

痛み止めの内服薬には2種類あり、それぞれリスクの大きさも違います。
効果の低い非ステロイド系は副作用も大きくないのですが、 効果の高い副腎皮質ステロイド系は、その副作用も大きいため常飲してはいけないと言われます。

ヒアルロン酸を関節に直接注射する。これは最も効果を期待されている治療ですが、体内に注入したことにより注射部位が痛んだり腫れることもあります。また、注射直後は痛みが一時的に強くなることもあります。
直接注射の場合、1回の注射では効果を感じられないことが多いです。

一人ひとりの症状や体質に合わせて療法種類が変わります。忘れないでほしいのは、ノーリスク・ハイリターンなものはないということです。それは薬だけの話ではないですよね。